2010年04月01日

無限のリヴァイアスを半分見ての感想

昨日リヴァイアスを一気に半分(12話)まで観た。大変面白い。欝アニメとかSF版蠅の王だと説明されるだけあり相応の内容なのだ。エヴァと同じく一応90年代のアニメだったと思うが、やはりアニメも映画も時代により大分雰囲気が違う。アニメでは絵柄や色やその他、書く人や作り手の違いとはまた別の違いもある気がする。映画も人間の顔は当時流行りの髪型などは除くとして変わるわけがないのに不思議と雰囲気、匂いに差異があるのだ。(勿論映像技術やが大きな要因とも考えられる)例えば60年代とか70年代辺りの映画は殆ど一目でそれと分かる。少なくともこれが1990年代後半以降の映画ではないだろうという事は一目で分かる。まぁ要するに、一昔前の作品の雰囲気っていいねぇという事だ。

蠅の王と言うだけあって本作は人間の善な部分と悪な部分のうち、圧倒的に後者を描く率が高い。圧倒的というのは過言があるが、常にあらゆる描写や人間に一定の危うさ、現実味のある危うさがあり、根っからの100%善人みたいな人物はあまり見当たらない。強いて言うならルクスンやかなり小さな子供二人程度が一切の悪意を感じさせないところがあるが、彼らに人間味がないかというとそれはない。特にルクスンは地位(これは後に剥奪される)とプライドばかりが高く、無能であるため、周りから大変嫌われており、本人は真面目なのだが全てが空回りした挙句、後に憎悪の対象となり追い剥ぎにあったり色々しながら料理当番や便所掃除や子守り役を熱心にこなして一人でトイレにも行けない子供とペアでなんとかやり過ごして行く。(元艦長)なんとも人間味がある。私にとって本作で最も魅力的なのは彼である。

本作が素晴らしいのは以上までに欠片ほど語った現実味ある人間描写のおかげかと思う。本当に色々な登場人物がおり、最初は覚えられるかなと思ったのだが基本的には覚えられる。またアニメは少し過剰なまでに個性を作ったような作品もあるが、本作は個性豊かながら非自然な個性を感じる事はなく、「ああ、いるいる」という人間ばかりが揃っている。個性的と言ってもある意味では結構かぶっていたり、薄めのキャラ、凡庸なキャラも多数おり、それがますます現実味があるのである。そして誰もが人間らしい脆い部分を持っており、数々のイザコザが発生する。常に考え方は対立し、誰かが不満をたらし、誰かが喧嘩をし、誰かが怒鳴りちらし、管理派がおり、自由派がおり、大衆的な人達がおり、エリートがおり、エリートに特権があり、それを憎む人がおり、片思いがあり
失恋があり、労働があり、裏切りがあり自己犠牲がある。論理的と称して全体主義的に振舞う人間がおり、それに抵抗する人がいる。イジメがあり、売春があり、統治があり、犯罪がある。

かくも人間的で綺麗事の薄い現実を包み隠さず、実によく描いているのが本作。26話という話数はこういった描写をじっくり深々描くための余裕を作品に十分に与えているので、こちらも十分浸り入り込む事ができる。

上記に加えて比較的複雑な状況が様々な謎を匂わせそこを考える面白さもある。久々に重みのあるアニメを観たかなという感じ。欝アニメとして紹介されたので今後益々憂鬱な展開をするのかもしれないが既にその徴候が常に見える。漂流教室でも何でも、この手の漂流もの、集団サバイバルものを見ていつも思うのは無能な自分がこの場にいたら何ができるかという不安である。当然のごとく本作は有能な人達と違い、極めて無能であり、またそれ故に馬鹿にされたり、疎まれたり、あるいはさらに酷い目にあわされるような人間をも数人描いている。私は彼らに共感するので、これらの人達が本作でどんな結末を迎えるのか、大変な興味を持っている。


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posted by Moral Minority at 21:39| 京都 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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